基本に忠実な歯周病治療
科学的根拠のある治療法で、再発を防ぎます。
- しっかりした診査・診断・基本治療
- 患者さんのお口を守る「衛生士担当制」
- 「長くなった歯」の改善
最近はいろいろな治療法が出てきていますが、
基本に忠実に、そしてしっかり行うことが「適切な治療法」です。
科学的根拠のある治療法で、再発を防ぎます。
最近はいろいろな治療法が出てきていますが、
基本に忠実に、そしてしっかり行うことが「適切な治療法」です。
当院での歯周病治療の考え方・方針を具体的にご紹介します。
「ちょっとチクッとしますね」と言われて、何やら歯科器具で歯茎を「ツンツン」されたことはありませんか?
これは歯周ポケットを測定(ブローピング)し、歯周病の進行度合いをチェックする検査です。
歯周病治療では、まずこの検査をしなければ、どのような治療をすべきかの判断ができません。
患者さんに「このような経験(ツンツン)はありますか?」と聞くことがあるのですが、「ありません」「1度だけ経験したことがあります」というご返事をよくいただきます。
先ほどもお話ししたように、この検査は歯周病治療では避けて通れない検査であり、1度だけでなく定期的に行わなければならない検査です。これをやらないということは、羅針盤と海図をもたずに航海することと同じであり、現在どこまで歯周病が進行しているのか、そして、どのような治療をすればいいのかを考えずに治療を進めていることと同じです。歯周病の治療をする際、この検査をしっかりしてくれるか否かを歯科医院選びの1つの基準としてもよいと思います。
また、歯周病治療で歯石を除去することを「スケーリング」といいます。
このスケーリングを「麻酔をされながら」治療をして頂いた経験はありますか?
これもほとんどの患者さんは経験がないと思います。
歯周病が進行すると、骨が溶け、歯と歯茎に隙間ができてきます。
これが皆さんご存知の歯周ポケットです。歯周病菌はこの歯周ポケットの奥にドンドン入り込んでいきます。つまり、奥に入り込んだ歯周病菌や歯石を除去しなければ根本的な治療はできません。
下のレントゲン画像は歯肉の奥に歯周病菌(歯垢・歯石)が入り込んだ状態の画像と、それを改善した画像です。マークがついている部分を除去しました。
価格は約22,000円(税込)。リスクとして、治療中に痛みが生じることがあります。
この治療をするにはどうしても痛みが生じるため、麻酔を使って治療を行います。
以前、他院で1年ほど歯周病の治療を行ってきた患者さんが全然良くならないということで、当院に来院されました。その患者さんは、歯周病がひどく進行しており、歯を抜かざる得ない結果となってしまいました。
その患者さんに「麻酔をして歯周病の治療をされていましたか?」と伺ったところ、そのような経験はないとのことでした。麻酔をしないで治療できる部分は歯肉の上の部分だけであり、歯周病が進行している場合、いくらそこに付着している歯石をとったところでまったく意味がありません。歯周病が進行しているのは、そのもっと奥の部分なのですから……。
右の写真をご覧になれば、今までお話ししたことがご理解いただけると思います。
ラインが入っている部分が歯肉の上と下との分かれ目です。上の部分は綺麗ですが、下の部分に歯石がびっしり付着しています。
この部分をしっかり除去しなければ、将来的には抜歯の運命が待ち受けています。
歯科医院を選択される基準として、「歯周ポケットの定期検査」「麻酔をしたうえでの歯石除去」の2つをしっかり実施している歯科医院での治療を強くお勧めいたします。
下記の画像は当院で行った歯周病治療の症例です。腫れが引き、健康なピンク色の歯肉が回復しています。
価格は約88,000円(税込)。歯肉を切除、移植する方法。リスクとして痛みが出る場合がある。
歯周病治療は他の治療と比べ、特に患者さんのご協力が必要になる治療になります。
患者さんにご協力して頂くためには「歯周病に対する理解」と「口腔内の現状理解」が必要です。そのために当院ではさまざまな「情報提供ツール」を活用し、患者様に納得していただけるまで説明を行います。例えば、CT画像で骨の状態の報告、術前術後の状態を写真でご覧いただくなどです。
歯周病治療は、私達歯科医院と患者様の二人三脚で行っていきます。
他の治療もそうですが、特に歯周病治療は「計画的な管理」そして「患者さんのライフスタイルへの精通」「信頼関係」を必要とします。
毎回担当者が変わってしまうと、患者さんとの信頼関係も築きにくく、担当者間の情報の抜け漏れが出ることで患者さんにご迷惑をかけてしまうこともあります。
そうならないために、当院では患者さんごとに専任の歯科衛生士を決め、治療を進めていきます。
また、当院では「衛生士教育」に力を入れています。
フリーランス衛生士をお呼びし、歯科衛生士のスキルアップを実施し、歯周病治療の質の向上を行っています。
新大阪歯科衛生士専門学校卒業 | |
伊藤歯科医院勤務 OSIスウェーデン研修ハルムスタッド病院 研鑽 | |
名古屋臨床歯周補綴コース研鑽 | |
USC Dr. Roy Y, Dr. Petter W, Dr. Zadeh H, Dr. Bach Le オフィス研鑽 | |
Dr. Antonella Botticelli DHに師事 | |
フリーランスにてスタッフ教育などで活動中 |
歯周病治療をすると「歯が長くなってしまう」ということを聞いたことがあると思います。
実際、歯が長くなったように見えるのですが、これは「本来の健康な状態に戻った」と言った方が正確です。
歯周病が進行すると歯茎の骨がドンドン溶かされると共に、炎症を起こして歯肉が腫れあがります。
歯茎の骨が溶かされれば、当然、歯茎もドンドン下がっていき、歯の根が露出してきて歯が長く見えるはずです。ところが炎症により歯肉が腫れあがっているので、歯が長くなったようには見えません。治療によって歯肉の炎症が治まると、本来の歯の姿が見えてくるというカラクリです。
「お口の健康は取り戻せたけど、見た目はなんとかならないの?」
治療を終えた方から良くこのような質問を受けます。
当院では「歯肉移植術」という方法で、この「見た目」の改善に取り組んでいます。歯肉移植術では、上顎の歯茎から歯肉を取ってきて、見た目が悪い部分に移植します。
上顎の奥歯の内側から移植する歯肉を採取します。
移植する箇所の歯茎を切開し、その中に採取した歯肉を入れます。
歯肉を採取するために切開した歯茎は2週間程度で回復し、移植された歯茎はおよそ1ヶ月程度で傷跡が目立たなくなり、周囲の歯茎と区別がつきにくい自然な状態になります。
歯肉移植術は、技術を必要とする治療法です。どの医院でも行っているわけではありません。「お口の健康」と「美」を追求したい方、ぜひ当院にご相談にいらしてください。
価格は約88,000円(税込)。歯肉を切除、移植する方法。リスクとして痛みが出る場合がある。
歯周病が進行すると、「歯がグラグラしてくる」と聞いたことがあるかと思います。
これは、歯周病菌が原因で顎の骨がどんどん溶け、歯をしっかり支えられなくなったために起こる症状です。
そのままにしていると、ある日突然「ポロッ」と歯が抜け落ちてしまいます。
基本的には、一度骨が溶けてしまうと、元に戻ることはありません。
ではどうするのか?
ここで「骨再生治療」が登場します。
つまり、溶けて減ってしまった骨を再生させ、歯が抜け落ちることを防止する治療だとご理解いただければと思います。
当院では、「エムドゲイン」や「リグロス」という薬品を使った、骨再生治療を行っています。
エムドゲインやリグロスは、骨の再生を促す特殊なたんぱく質を含んだ薬品です。骨が失われた部分の歯肉を切開し、患部に直接薬品を塗布します。症例によって差はありますが、数ヶ月〜1年程度で骨が再生します。
次の動画は、エムドゲインによって骨が再生される様子です。
価格は約110,000円(税込)。再生療法により、骨密度を改善した症例。リスクは特にありません。
歯周病が過度に進行して、歯を抜くことになった後、一般的には「インプラント」「入れ歯」「ブリッジ」などの治療法があります。実は、適応症例が限られますが、これらの他に「自家歯牙移植」という選択肢があります。
自家歯牙移植とは、歯を抜いた位置に、「ご自身の歯(主に親知らず)」を移植する治療法です。インプラントのような人工歯と異なり、移植するのはあくまでご自身の歯です。
通常、天然歯は歯と歯茎の間に、「歯根膜」という組織があります。歯根膜により、食べ物を噛む力を調整したり、食べ物の食感を楽しむことができます。
自家歯牙移植を行った歯は歯根膜があるので、適用できればインプラントよりも優れた治療法とも言えます。
自家歯牙移植は高度な技術が要求される治療法で、どこの歯科医院でも受けられるわけではありません。当院では、数多くの症例を扱ってきています。適応できるケースは限られますが、ご自身の歯を残したいという方は、ぜひ一度ご相談ください。
歯周病予防には、定期的なクリーニングが欠かせません。
理由は、歯周病も虫歯も細菌による感染だからです。その細菌を除去していくのに、専用の機器と材料が必要になってきます。当院では、スイスEMS社製の「エアフロー」を導入しています。
エアフローは、歯の表面に細かいパウダーを吹き付けて、歯の汚れを落とす装置です。
EMS社製のエアフローの特徴は、歯の表面を覆う「バイオフィルム」を取り除けることです。バイオフィルムは、歯周病などの原因菌が、まるで排水口のヌメリのような状態で歯にこびりついたものです。
バイオフィルムを効果的に取り除くことができ、高い歯周病予防効果があります。
また、歯と歯茎を傷つけず施術できることも特徴です。
予防歯科最進国であるスウェーデンのイエテボリ大学では、この機器の有効性を認め、学内のエアフローをすべてEMS社のものに買い換えたというほどです。
さて皆さん、こんな症状はありませんか?
・歯磨きをすると歯茎から出血する。
・歯肉が赤く腫れている。
・歯茎から膿が出る。
・食べ物が歯の間にはさまりやすくなった。
・昔より歯が長くなったように見える。
・朝起きた時、口の中がネバネバする。
・歯がグラグラする。
・歯が浮いた感じになる。
・口臭があるとよく言われる。
これらは歯周病の典型的な症状です。
歯周病は、成人の方の約半数近くが罹患しているという統計があります。
そして、虫歯と異なり、歯周病は痛みもなく進行していきます。気付いた時にはもう手遅れ(抜歯)ということが多い病気です。
この「痛みがない」、つまり自覚症状がないまま進んでしまうのが歯周病の恐ろしいところです。
皆さんには「歯周病」というものが存在し、成人の半数近くの方が罹患しており、痛みもなく進行してしまい、最終的には歯を失ってしまう恐ろしい「病(やまい)」であることを、深くご理解しいただきたいです。
「早め」に、そして「定期的」に適切な処置をしてくれる歯科医院に来院することで、歯周病の進行を止め、治すことができます。
次の「コラム」では、歯周病が「病(やまい)」たる所以をお伝えします。
あまり知られていない事ですが、歯周病はお口の中だけではなく、全身疾患との関連性もあります。
関連性が報告されているものとして次のものがあります。
歯周病との関連でよく言われるのが、「糖尿病」「心臓病」「早産」です。
重度の歯周病の場合、軽度の人に比べ2年後に糖尿病が悪化している率が5倍高くなります。
歯周病菌の作りだす物質が血液中に流れ、動脈硬化を起こすのではないかと考えられており、心筋梗塞や狭心症を引き起こす原因となります。
健康な人に比べ、心臓病発症の危険率が2.8倍といわれています。
低体重児を出産した母親の方が歯周病が進行していたという報告があります。
また、妊娠中の歯周病をそのままにしておくと、早産の確率が高まります。
他にも「肺炎」「脳卒中」などとの関連性が指摘されています。
研究が進み、今や歯周病は、お口の中だけの病気ではないというのが専門家の共通認識です。「歯周病=歯を失う病気」ではなく、「歯周病=命にかかわる病気」という認識の転換が必要です。
なんだか怖いお話になってきましたが、しっかり検査・治療をしてくれる歯科医院をかかりつけ医院とすれば、それほど恐れる病気ではありません。
信頼できる医院をあなたの目で見極めてください。
当院は、自信があります。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。